ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2014.4.11 10:01

お遍路休憩所に排外主義の真相


『ゴーマニズム宣言』が、SPA!SAPIOで連載されている

頃からずっと、現場からの報告があった。

良き観客として注目してくれている読者が、いざという時

には現場から重要な報告をしてくれる。

今はわしの個人サイトに、そういう人からの投稿がある。

今日も重要な現場報告があったので、紹介したい。

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唐突のメールを失礼します。他に連絡手段がないために、

こちらのメールフォームを利用させていただいております。

 

4/10付けの時浦氏の「お遍路休憩所に排外主義の

貼り紙が貼られている」件の記事について、まがりなりにも

四国八十八箇所を一巡した者として、ネット上の拝外主義者

の中であまりにも現地を知らない人間の妄語が多いため、

僭越ながらお伝えしたい事があり、連絡を取らせて

いただいています。

 

まず、第一に申し上げたいのが、拝外主義者達が

「道路標識等々にシールをペタペタ貼っている」事を問題視

していますが、そもそも市街地を中心に電柱、道路、標識の

支柱等に約7000枚の「へんろシール」を道しるべとして

貼り始めたのは「へんろみち保存協力会」を始めとする

現地の方、つまり日本人なのです。

「道路標識等々にシールをペタペタ貼っているのは

ピンクチラシと同じ。」というような拝外主義者もいるよう

ですが、これは現地の方々への冒涜に他なりません。

 

そして「現地人が言うには欧米の人はこんな案内標識がなく

ても問題なく回れているらしい。」という嘘を喧伝している

者もいるようですが、これは明らかな捏造です。

四国八十八箇所は札所と札所の間が徒歩5分程度のものから、

最長になると80kmを超える場所まであります。

そんな距離を外国人が徒歩で案内標識なしで回れるなど、

少し想像力があれば無茶だと判ります。

 

それから標識に間違いが多い事をつつく人もいますが、

残念ながらこれは日本語の標識でもある事なのです。

類似した例ですと、先述した「へんろみち保存協力会」も

発行した地図に修正すべき点が見つかれば知らせて

欲しいと呼びかけています。

(→https://www.iyohenro.jp/contents/activity

実際、私も間違った標識に右往左往した事もありますし、

地元の方が親切に教えてくださった道が結果として

間違っていたという経験はあります。

ですが、それを含めて道中に起きた事は「全て大師様の

お計らい。」と思うのが遍路なのです。

(私自身は、そこまで至っていないので不明を恥じる

他ありませんが。)

 

そして、最も肝心なのは、この排外主義の張り紙の

問題点は、他の外国人の目にも付くという事です。

今回問題になっているような休憩所には、休憩した

遍路さんが自身の名前の書かれた納め札を名刺代わりに

おいていったり、それこそ壁に貼る習慣があるのですが、

よく見ると欧米からお越しの方もかなりいるのです。

そういう人々が、この張り紙を見てどう思うのか心配です。

 

以上、お忙しい中大変失礼いたしました。

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「運動家」の言葉は空疎だが、現場を知る者の言葉は

腑に落ちる。

わし個人の能力には限界があるので、こういう現場からの

報告は本当にありがたい。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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